しなやか通信

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2005年 09月 08日

マシュマロと人参

「お話したいことがありますから来ていただけますか」
家人の担当医から電話があり病院へ出向いた。



印象のうすい男だった。
30分も対面していたのに顔が思い出せない。
のっぺりとした白衣と名札に記されていたとても珍しい名前は浮かび上がってくるのに顔がない。
要職についていることは名札で確認できるが、きりっとしたところがさっぱり見受けられない。
白い綿菓子とかマシュマロと接しているかのような錯覚。
いや、マシュマロのほうがまだ歯ごたえがある。噛みごたえがある。

面倒なやっかいな話を切り出すのは気が重い。
しかし、はっきりと話してくれなければ。
沈黙を楽しむような親密な仲じゃない。
こちらが話の先を読んで会話を誘導する。
医師の意図するところくらい分かるさ。
同じような場面を何度も経験しているから。

医師からの宿題を考えてみる。
面倒くさい。言っちゃいけない。禁句だけれども面倒くさい。
こういうときには仕事を淡々とこなすに限る。
持ち帰った洗い物を洗濯機にほうりこむ。
最近まともな食事をしていなかった。何かつくろう。
近くのスーパーで食材の調達。ジャガイモ、玉ねぎ、人参、ナスビ、そして豚肉。これでカレーができる。
1パック100円のシシャモも追加。これはねこのため。

作業に没頭すれば気がまぎれるかと思ったが、今回はそうもいかなかった。
人参を乱切りしているときに包丁が指をかすめる。
うっすらと紅い血が滲む。
いやでも病院を思い出してしまう。
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by Cafe_Gimlet | 2005-09-08 23:57 | 家事・介護


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