しなやか通信

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2006年 06月 17日

コロッケ屋にて

「あれ、コロッケ売り切れ?」
「今揚げてるから、待ってて」

かつて市内で一番賑わっていた商店街。
その真ん中あたりに位置するコロッケ屋。
週に一度はここへ来る。



コロッケが売り切れ。
待たなければならないのに、少しうれしい。
この店はずっと続けてほしいから。
繁盛してほしい。

「ラードで揚げるの?」
「い~や・・・ラードはしつこくなるから。(買ってから)次の日に食べる人もいるし、お弁当に入れて人もいるし。すぐに食べるんやったらラードの方がおいしいけど」
「なるほどねぇ。で、サラダ油?」
「そう。サラダ油」
またひとつ賢くなった。

シャッターをおろしているところが目立つアーケード街。
夏場の土曜日は特別に夜遅くまで店を開けて、ちょっとしたお祭り状態だった。
テキヤも店を広げていた。
金魚すくいに、ヨーヨー釣り。
このアーケード街の他も賑わっていた。
駅からまっすぐ進む通りや、その通りと交差する国道沿いの商店街。
ただでさえ狭い通り、歩道に人が溢れる。手をつないでいないと親とはぐれてしまう。
小学校一年生くらいだったか。
同じクラスの女の子に、そんな人ごみの中で、「○○く~ん!」と声をかけられてひどく恥ずかしかった記憶がある。
今では、そんな賑わいのかけらもない。

コロッケ屋の隣もずっと閉まったまま。
「家賃、3万5千円なんよ」
「3万5千円?」
「そう。敷金も礼金もなしで。それでも借り手なしなんよ」
同じ商売やるなら、駅裏の大型複合店に入り込みたいよな。
大銀行の財務内容がよくなって、景気は上向いているという声がますます大きくなっている。
じゃあ、目の前にあるこの現実は何なんだろう。

金銭トラブルに巻き込まれた心労などで体を悪くした旦那さんとふたりで、一個税込み73円のコロッケを売っているこのおばさんを応援したい。
だから、週に一度はここへ来る。
ホクホクのコロッケを買いに来る。
ササミカツも美味しいよ。
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by Cafe_Gimlet | 2006-06-17 20:26 | 揺さぶる言の葉


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